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カテゴリ:不思議なこと

  • ちょっと恐いお礼
    [ 2007-02-25 16:10 ]
  • 不思議なこと④
    [ 2005-11-19 20:55 ]
  • 不思議なこと③
    [ 2005-11-18 19:33 ]
  • 不思議なこと②
    [ 2005-11-17 12:58 ]
  • 不思議なこと①
    [ 2005-11-16 11:51 ]

『マッピー』用ボーダー

ちょっと恐いお礼


もう5年ほど前の或る夏の夜の出来事だ。
いつもより少し早い23時頃、布団に寝そべっていた僕は、当初なかなか寝付けずにいたのだが、薄暗がりの中で襖と畳の接点の直線を目で追っている間に、徐々に心地良い眠気を感じつつあった。
うっすらと開いた両目に映る景色が、視界の外側から段々と薄暗くなっていくような感覚を覚えながらも、意識はまだハッキリとしており、国道を通過する車の音やマンションの通路を歩く人の足音などをキチンと認識していた。

突然、自分の頭の真後ろで微かに人の呼吸音がすることに気がついた。
普段ならばあまり気にせずにそのまま眠りに入ってしまうところだったが、何故か気になり半身を起こして、女房の姿を探した。
いつの間にか女房が僕の真後ろで眠っており、その呼吸音が聴こえているのかと思ったのだ。
ところが女房は、僕の頭の位置から1メートルほど離れた位置で熟睡していた。僕はちょっと気味が悪くなって自分の呼吸を止めたまま、女房の呼吸音が聴こえるかどうか耳を澄ましてみた。
すると、ここからでも女房の呼吸音は微かに聴こえて来るのだが、僕が自分の呼吸を止めているにも関わらず、僕の頭の後ろからは、更にもう1つ別の呼吸音が聴こえてくる。僕は自分の鼻から少しだけ息を吐き出して再び呼吸を始めた。この時点ではもう、完全に目は覚めてしまっている。
もう一度、慎重にゆっくりと、自分の呼吸音と女房の呼吸音を確認してみる。
確かに2つの呼吸音が聴こえている。
でも、聴こえないはずの、もう1つの呼吸音もちゃんと聴こえてくるのだ。

『あぁ・・来てんのかなぁ・・』
僕はちょっとした諦めと共に、自分の背後にピッタリと、"肉体ではない何か"が居ることを想像する。
こういった体験は若い頃からあるのだが、僕の場合は年に数回ほど続けて体験があったり、数年間何の体験も無いときがあるから、自分でもコントロールなどは出来ないし、誰かや何かの役に立つ訳でも無い。
ただ、そのときの状況をじっと受け入れるしか成す術がないのだ。

右頬の下に手の平を置いて肘を立て、僕は横向きに寝そべるような姿勢に変えた。
そして、
『まぁ・・どうでもいいや・・悪いけど・・俺は何にも出来ませんよ・・』
なんて感じで、いつものようにちょっと投げやりな言葉を心の中で呟いていた。
すると突然、天井側にある左の肩を指先で強く押された。
何とも説明しがたいのだが・・この感覚も物凄く不思議で、相手は人差指と中指と薬指の3本の指で、威嚇するような感じでは無く、まるで呼びかけても気付かない僕に困って指先で押してきたような・・そんな感じで背中を押してきたのだ。

僕はバランスを失って前方に倒れた。
顔を布団に押し付けたまま、女房の方を見ると、相変わらずさっきの位置から動かぬまま熟睡している。
耳を澄ますと、3つの呼吸音の1つは消えていた。

"負の感情"とか"恐い"というよりは、何だか"ちょっとした笑える悪戯"をされたような、そんな感覚が僕の中に残っていた。

翌日、仕事を終えて家に帰り晩飯を食べていると、
「ねぇ・・今日・・小学校のお母さんからね・・『お宅の娘さん、昨日・・学校帰りに友達と一緒に、倒れた墓石を一生懸命持ち上げて直していたわよ!』って言われたのよぉ・・あの子、何にも言わないのねぇ・・そう言うこと」
と笑いながら女房が言ってきた。
「へぇ~・・そんなことしてたんだ・・いいとこあるじゃん・・あいつも」
僕がそう言うと、
「なんでそんなことしたの?って聞いてみたら、『なんだか倒れていて可哀相だったから・・でも死ぬほど重かったぁ・・』だって!何かいい事あるかもねっ!」
女房は嬉しそうに、でもちょっとだけ、自分の娘がそんな善行を働いたことを得意そうに話した。

「そっか・・いい事があるかどうかは分かんないけど・・お礼には来たよ・・」
箸を動かしながら僕が言うと、
「えぇ~っ!なにそれっ!」
と女房が尋ねてきたので、僕は昨晩の話をしてやった。
女房はちょっと恐がっていたが、自分の寝息が1メートルも離れたところまで聴こえていたことに対して愕然としつつも、そちらが自分の笑いのツボに入ってしまったようで、ニヤニヤしながら子供部屋に消えていってしまった。
観てもいない点けっぱなしのテレビの画面を眺めながら、もう一度昨晩の出来事を考えていると、何だか暖かい気持ちになると同時に少しだけ可笑しさが込み上げてきた。

『お墓の中の人・・なのかなぁ・・誰だか分かんないけど・・きっと最初は娘の部屋に行ったんだろうな・・でもいくら頑張っても頑張っても、鈍感な娘はまったく気付かずに、大口を開けて眠りこけていたんだろうなぁ・・それで仕方が無いから諦めて俺んとこに来たのかなぁ・・』
そう思うと、その人が娘の周りで四苦八苦している姿を想像して可笑しくなると同時に、なんだかとても律儀な礼儀正しいおじいさんのような気がして、不思議と愛着が湧いて来たのだった。

『こちらこそ・・わざわざ・・ありがとうございます・・ちょっと恐かったっすけど・・』
遅い時間に1人で晩飯を食べながら、窓の外に見える夜景に向かって僕は心の中で呟く。

生きているのって、不思議だ。
死ぬってことも、とっても不思議だけれど。
だから、死んだ後っていうのも、すっごく不思議なんだろう。

背筋を伸ばした老人が、月明かりの下で屹然として立っている。
置き直されて真っ直ぐに立つ墓碑は、
遠目から眺めると、そんな姿に見えるのかも知れない。

ふと、そんな想いを馳せつつ、白米を何度も噛み締める。
不思議だらけの世界で、僕は何も知らぬまま生きている。

by gauche3 | 2007-02-25 16:10 | 不思議なこと | Trackback | Comments(12)

『マッピー』用ボーダー

不思議なこと④

 高速道路の反対車線に車を止めて降りる訳にも行かず、運転している友人は恐怖のせいか、いきなりスピードを上げ始めました。別の友人が「危ないからスピードを落とせ」と言い出して僕らはやっと落ち着きを取り戻しました。
 そして、僕は自分が「恐怖を感じた瞬間」まで自分の頭のテープを巻き戻してみたところ、それは事故車を見た瞬間であったことに気付きました。このとき僕はこう思ったのです。
「脳って・・経験したことしか直ぐには認識出来ないんだ。理解もしない・・魂の方がずっとずっと速い・・物哀しいような愛おしいような感覚を覚えたときに、魂はもう彼らが死んでいたことを知っていたんだ・・いや・・認識は魂が先にして、その直後に心が感情を産み出したのか・・いずれにしても脳が恐怖を感じたのはその後だ・・」
 それは音速と高速・・いや雷光と雷鳴の関係のようなものだとも思い、僕の中に別の何かを確かに感じながら、ただ彼らのために心の中で祈り手を合わせました。
 そのときの体験から僕は「輪廻転生ってやっぱり絶対にあるんだ」と固く信じていたのですが、最近は「輪廻転生はあるかも知れんが・・人間の霊体みたいなものが一時的または長期的に形や匂いや音や力を残すだけなのかも知れない」と思うこともあります。
 ただいずれにしても己には計り知れない、何かとてつもないものを人間は内側(あるいは外側)に抱えているんだという、畏怖なのか信仰なのか解らない不思議な感覚を持つようになりました。と同時に「死が全ての終わりというワケでもない」という気持ちがムクムクと生まれてきました。
 そして、いまもときどきその親子連れのその先の旅路を、自分の今までの、そしてこれからの人生に重ね合わせて想うことがあります。
 この不思議な体験は、その後の僕の生きることに対する考え方を大きく変えました。何も解らないままに僕はいつか死を迎えるのかも知れませんが、この体験が僕だけではなく誰かに何かを伝えられるといいなぁ、といまもそんな風に思っています。

(おわり)

by gauche3 | 2005-11-19 20:55 | 不思議なこと | Trackback | Comments(16)

『マッピー』用ボーダー

不思議なこと③

 高速道路の中央分離帯を、僕らの車の進行方向とは反対側から歩いてくる3人の親子連れを見たのです。
 一番前は縦縞のパジャマを着た小学校低学年くらいの男の子、そのすぐ後ろを、小学校高学年くらいのお兄ちゃんらしき少年とお母さんらしき女性が歩いていました。小さな男の子は嬉しそうに顔を上げて前を向いて歩いていましたが、お母さんとお兄ちゃんはどこか寂しげで、寄り添うようにして後ろからついて来ていました。小さな男の子は裸足で・・裸足だったのを記憶しているので足もちゃんとありました・・本当は中央分離帯の植え込みの中に、足が隠れているので見えないはずなのですが、彼らを前後左右上下から俯瞰しているような見え方だったのです。
 物哀しいような愛おしいような・・その子を抱きしめてやりたいような感覚がいきなり僕を包み込みました。「怖い」とか「どうしたんだろう?」という気持ちは全く無く、ただそんな気持ちが沸いてきました。
 僕が友人たちに向かって、
「おぉっ・・今の親子連れ・・見たや?こげな遅い時間に高速の中央分離帯を歩く人やらおるんやねぇ・・」
 と呟いたところ、運転していた友人も他の2人の友人もエラク慌て出し、「見てもいないし、そんなことはあり得ない」ということを口々に言い出して、
「オマエが見たのは・・幽霊ばいっ!」
と結論付けました。
 僕らが車内で騒いでいると、運転していた友人がいきなり大声で、
「反対車線!」
 と叫びました。僕らが全員で反対車線を見ると、車の前方から後部座席辺りまでペシャンコに潰れた赤いファミリアが、中央分離帯に激突して煙を上げていたのです。

(つづく)

by gauche3 | 2005-11-18 19:33 | 不思議なこと | Trackback | Comments(10)

『マッピー』用ボーダー

不思議なこと②

 19歳の時、僕の内面は厭世的な気持ちで満ち溢れていたものの、心の何処かでは、「それでも人生をキチンと全うしたい。自分自身に対して自分が生きたという証になるようなモノやコトをして死にたい」という気持ちも強くあったのだと思います。ただ、その意味や方法すら解らずに、「刹那的に太く短く生きていこう」と漠然と思っていました。
 そんなある日のこと、大学を辞める少し前の夏休み、福岡に住む友人達に誘われて、高校を卒業して熊本で働いている友人の家に遊びに行きました。友人のアパートに転がり込んで1泊し、酒を呑んで騒いでいましたが、もう両親との関係も最悪の状態になり、大学を辞めることも決めていた僕は、呑んでいる酒も・・この楽しい会話もみんな、心の中の仄暗い穴の中に吸い込まれていくような気持ちのまま時を過ごしていました。
 翌日も夜遅くまで遊んだ僕らは、熊本の友人に別れを告げて、福岡に帰るために高速道路に乗りました。もう深夜で時間としては翌日になっていたと思います。取り留めの無い会話・・何とも言えない虚脱感・・疲れたような笑い声・・そんな車内のどんよりとした空間の中で僕の心には、「あぁ・・人生って何なんだろう?何の意味があるんだろう?自殺するのは絶対に嫌だけど・・もういいっかなぁ・・死んじゃっても・・」という気持ちが、深い霧のように立ち込めていました。心の中が恐ろしくカラッポになっており、そのせいなのか、見るもの全てが自分の心の中に、何の判断や解釈も与えられずに果てしなく流れ込んで来るような気さえしていました。

 そのときでした。

(つづく)

by gauche3 | 2005-11-17 12:58 | 不思議なこと | Trackback | Comments(6)

『マッピー』用ボーダー

不思議なこと①

 輪廻転生があるのか無いのかは解らないのですが、僕は肉体と脳と心と魂を別々に考えています。脳を肉体の一部と考えると、「肉体」「心」「魂」ということになります。
 おそらく今まで読んで来た書物とか、実体験とかを自分の中で消化して再構築して今の自分の考えがあるのだと思います。
「はて?この考えを持っているのは・・脳なのか?心なのか?魂なのか?」という単純な疑問はあるのですが(笑)
 ちなみにウチの先祖は、親父の兄貴が調べたところによると、伊勢方面で徹底的に弾圧された一向一揆の門徒だったそうですが、何故か実家は真言宗で、亡くなったお袋は子供の頃僕に良く教会に行くように言っていました。
 このような訳の解らない小さな歴史や環境の中で生きてきた僕は・・この年齢になっても、特定の宗教を信じている訳でも無く、かと言って信じていない訳でも無く、人間には何か源泉のような魂の回帰する場所があって、宗教とはそれを解り易く「神」として表現しているだけなのかも知れん・・などと勝手な解釈を、ただ漠然と何の根拠も無く持つようになって来ました。ひょっとしたらこれも、何かの書物で読んだ考えを、自分なりに解釈しているだけなのかも知れません。
 何だかどうでもいい前書きが長くなってしまいましたが、実は僕は子供の頃から今に至るまで、何度か不思議な体験をしており、その中で19歳の時に初めて霊というものを見た時のことと、その時に感じたことを書いてみようと思いました。
「ちょっと薄気味悪い話だなぁ」と思われたら、このシリーズは読み飛ばしてください。何でこんなコトを書く気になったのか自分でも良く解らないんですが、この自分の小さな実体験が、何かを伝えられればいいなぁ、という単純な気持ちなのだと思います。

(つづく)

by gauche3 | 2005-11-16 11:51 | 不思議なこと | Trackback | Comments(6)

『マッピー』用ボーダー